ブログ構成を毎回安定して作るには、フローとルールが必要です。
「この記事、構成から迷ってしまった」「前の記事と品質が違う気がする」
という状態は、再現可能な仕組みがないことが原因です。
このノートでは、実際にこのメディアで使っている5つのステップとルールファイルの運用方法を公開します。
構成を詰めずに執筆に進むと、なぜ失敗するのか
AIで構成案を作れるようになると、比較的早い段階で「それらしい構成」が出てきます。
ここに落とし穴があります。
「大体できた」という状態で執筆に進むと、書きながら「やっぱり違う」となり、構成に戻る。
修正してまた執筆に進む。また違う、を繰り返す。このループが、時間を最も消費するパターンです。
構成の品質とは「H2が揃っているか」ではなく「執筆に入ったときに迷わないか」です。
執筆前に構成の方向性を確定させることで、このループは大幅に減らせます。
H1・H2・H3の設計の考え方についてはこちらの記事で整理しています。
ブログ構成を毎回安定させるための5つのステップ
現在このメディアで実際に使っているフローは、5つのステップで構成されています。
| ステップ | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| ステップ1 | ネタ候補から優先順位を決める | 人間 |
| ステップ2 | 執筆前に「体験情報」を整理する | 人間 |
| ステップ3 | ルールファイルを確認する | AI + 人間 |
| ステップ4 | 構成案を作成する | AI |
| ステップ5 | カスタムGPTで構成を確認する | AI + 人間 |
各ステップの詳細を説明します。
ステップ1:ネタ候補から優先順位を決める
まず「何を書くか」を決めます。この工程を構成作成より前に行うことが重要です。
テーマ選定の判断基準は、「読者に伝えたいテーマか」「メディアの方向性と合っているか」です。
「このネタは素材が揃っているから書きやすい」という視点で選んでいると、メディアとしての一貫性が崩れます。
判断に使っている基準はこの3点です。
・競合記事との棲み分けが明確か
・読者の疑問に答える記事が不足していないか
・シリーズ全体の流れとして自然な順番か
このメディアでは article-backlog.md というファイルで記事候補を管理し、優先順位を常時5つ維持する運用にしています。ネタを思いついたときに追記して、次の記事を選ぶときにそのリストを参照する、という流れです。
「書きやすいから」でテーマを選ぶと、メディアの方向性がブレます。
「読者に何を伝えるか」「このメディアとして何を発信すべきか」を基準に選ぶことで、記事が積み上がるほど一貫性が出てきます。
ステップ2:執筆前に「体験情報」を整理する
テーマが決まったら、構成を依頼する前に体験情報を整理します。
体験型・実況型の記事では、この工程が特に重要です。
Claude CodeなどのAIが知っているのは「一般的な記事の構成パターン」です。
「このメディアの運営者がどんな経緯でこの結論に至ったか」は、伝えなければわかりません。
情報を渡さずに構成を作らせると、どこにでもある汎用的な構成になります。
渡すべき情報は次のようなものです。
・実際にやってみてわかったこと(成功・失敗どちらも)
・自分のメディアや業務に固有の工程
・この記事でどんな結論を出したいか
体験型記事は、構成段階では問題なさそうに見えても、執筆に入ってから構成をやり直すことがよくあります。
素材が揃っていない状態で構成を作ることが原因です。
体験情報を先に整理してから構成を依頼することで、この手戻りをかなり減らせます。
「執筆するときに書き直せばいい」と体験情報の整理を後回しにすると、構成の段階で迷いが生じます。
構成を依頼する前に整理し共有しておくと、出す構成の精度が上がります。
AIは一般論を書くことは得意ですが、実体験を書くことは苦手です。
記事の差別化要素は構成ではなく、この体験情報にあります。
ステップ3:ルールファイルを確認する
体験情報が整理できたら、Claude Codeに構成を依頼する前にルールファイルを確認します。
このメディアでは CLAUDE.md というファイルに記事制作のルールを書いています。
・タイトルは35文字以内、H2の最後に「まとめ」を使わない
・リストは「・」を使う
・CTAの配置ルール
など
具体的な指示が書かれています。Claude Codeはこのファイルを参照した状態で構成案を出すため、ルールが古いまま依頼すると古いルールに沿った構成が出てきます。
確認しているポイントは主に以下です。
・前回の記事で気づいた修正点がCLAUDE.mdに反映されているか
・タイトルの文字数ルールや禁止表現に変更はないか
・CTAやリンクのルールが最新の状態か
ルール違反に気づいたとき、修正だけで終わらせないことが重要です。なぜ違反になったのかを考えて、CLAUDE.mdに反映する。ルールは実践しながら少しずつ育てていくほうが健全です。
ステップ4:構成案を作成する
準備が整ったら、Claude Codeに構成案を出してもらいます。
依頼はシンプルです。「このテーマで構成案を出して」、それだけです。
ルールファイルを事前に確認しているため、テーマを伝えるだけで文体・文字数・カテゴリ・見出しのルールに沿った構成が出てきます。
ただし、1発で公開できるレベルになることはほとんどありません。
ルールファイルをどれだけ整えていても、確認と修正を繰り返して初めて使える構成になります。
この段階で目指すのは「公開できるレベルの構成」です。
執筆前に構成を公開できるレベルまで確定させることが、このステップの目的です。
構成案はこのフォーマットで出力してもらっています。
# H1タイトル
## H2見出し
→ このセクションの設計意図
### H3見出し
→ このセクションの設計意図
すべての見出しに設計意図を書くわけではありません。
「なぜここにこの見出しがあるのか」が分かりにくい箇所だけ、メモ書き程度に補足しておくイメージです。
ステップ5:カスタムGPTで構成を確認する
Claude Codeで作成した構成案を、カスタムGPTで確認します。
カスタムGPTには最新のルールファイル(CLAUDE.md)を参照させた状態で、
「この構成にルール違反はあるか」「H2の順序に違和感はないか」を確認します。
一から自分でチェックするより速く、見落としも減ります。
ただし、完全に任せるのは危険です。
AIが出した構成をAIが確認すると、「AIが正解だと思うもの」しか指摘されません。
本当に修正が必要なポイントがスルーされることがある。
カスタムGPTはあくまで「修正候補の洗い出し」に使い、最終判断は自分で行います。
| 修正の種類 | 対応方法 |
|---|---|
| 表現レベルの修正(言い回し・語順) | 自分で直す |
| 構造レベルの修正(H2の順序・不足している視点) | 人間が判断して構成を調整する |
構造の修正は、「このメディアとしてこの順序が正しいか」という人の判断が必要です。ここはAIに委ねられません。
「60点構成」とは何か。危険性と育てる仕組み
「60点構成」という考え方には、誤解されやすいポイントがあります。
「60点の構成案を作る」という話と、「60点の構成のまま執筆に進む」は、まったく別の話です。
60点でいいこと(Claude Codeへの最初の依頼)
最初の構成でH1・H2の骨格が見えていればOK。H3の有無・細かい表現・セクションの順序はこの段階では詰めない。
100点にしてから進むこと(執筆前の確定構成)
ステップ3・4を経て確定させる構成。H2の順序・論理のつながり・CTAの位置はここで確定する。
最初から100点の構成を求めると、依頼と修正のやり取りに時間がかかりすぎて運用が止まります。
60点で出してもらい、カスタムGPTとルールファイルで詰めて100点にする、という分業が効率的です。
SEO的には構成が必要条件、執筆が十分条件です。H1・H2で検索クエリに応えていないと、どれだけ文章が良くても検索エンジンに正しく評価されない。構成は土台で、執筆はその上に乗るものです。
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AIと人間の役割分担
このフロー全体を通じて、AIに任せる部分と人間が決める部分は明確に分かれています。
| 人間が決める | AIに任せる |
|---|---|
| テーマの優先順位 | H2候補の提案 |
| 記事の軸(誰の、どんな疑問に答えるか) | H3設計 |
| H1のテーマ設定と角度 | 表現の調整(ルールファイルで担保) |
| メディア軸との整合性判断 | 構成全体の整合性確認 |
AIはパターンと指示で動きます。
「このメディアは誰のために存在するのか」「この記事は今読者に何が必要だから書くのか」という判断は、AIには委ねられません。
構成案はAIに出させます。でも「この順序でいいか」の判断は必ず人間が行います。
ここを省略すると、「読者に必要な記事」ではなく「それっぽい記事」ができあがります。
ルールファイルはAIベースで「育てる」仕組み
このフロー全体を支えているのが、ルールファイルです。
ルールファイルとは、AIに常時参照させる指示書のことです(ステップ3で確認するCLAUDE.mdがこれにあたります)。
構成のブレはAIの問題ではなく、指示の問題であることが多い。
ルールファイルが曖昧だと、同じテーマでも毎回違う構成が出てきます。
実際の運用はこういうサイクルで回っています。
- 60点のルールで運用を始める
- 「こうすればよかった」という気づきが出る
CLAUDE.mdに即追記する- 次の記事からそのルールが反映される
最初から完璧なルールは作れません。40本近く記事を書いてもまだ試行錯誤しています。
ただ、このサイクルを回し続けることで、ルールは少しずつ資産になっていきます。
この運用フローで得られたこと
このフローを実際に運用して感じた変化を整理します。
構成↔執筆ループがなくなった:執筆前に構成を100%確定させることで、書き始めてから迷わなくなりました
記事ごとの品質差が減った:フローが固定されることで、テーマが変わっても構成のクオリティが安定しました
確認工程が速くなった:カスタムGPTで修正候補を洗い出してから自分で判断する流れで、レビューの効率が上がりました
ルールファイルが資産になった:更新を続けるほど次の記事の準備コストが下がり、運用が軽くなっていきます
「完璧より継続」は、記事の内容だけでなく運用フローそのものにも当てはまります。
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